人気のTQQQとTECLの違いについて
TQQQはProSharesが運営しているナスダック100に3倍で連動するレバレッジETFです。TECLはDirexionが運営するS&Pのハイテクセクターに3倍で連動するレバレッジETFです。日本の証券会社では長い間TQQQの取り扱いが無く、同じような動きをするTECLがTQQQの代用として使われてきました。
TQQQの取り扱いが無かったのは運営するProSharesが日本の金融庁に届け出していなかったからです。ProSharesはDirexionと同じようにレバレッジETFをメインに運営している会社ですが、当初、日本市場に参入するつもりが無かったので金融庁に届け出していなかったと思われます。兼ねてから日本の証券会社にTQQQの取り扱いを求める問い合わせが多かったようで、かつて某証券会社のTQQQの取り扱いのQ&Aページがあり、そこに取り扱い出来ない上記の理由が書かれていました。最近の日本の米国株投資の人気からProSharesも日本に参入を決めたと思われます。
TQQQの構成銘柄とセクター比率
ProShares UltraPro QQQ (TQQQ)
(UltraPro TQQQ目論見書) 2023年11月15日現在
TQQQの構成銘柄とセクター別のウエイトは以下になります。情報技術と通信サービスだけで65%を占めるハイテク企業が中心のETFになります。特記すべきは資金の大半をナスダック100のスワップで運営している点です。
構成銘柄 上位10社
- アップル 3.9%
- マイクロソフト 3.66%
- アマゾン 2.00%
- エヌビディア 1.63%
- メタ 1.39%
- ブロードコム 1.14%
- アルファベットA 1.05%
- アルファベットB 1.04%
- テスラ 1.00%
- アドビ 0.79%
*資金の大半をナスダック100のスワップで運営されていて、個別で保有されているウエイトはさほど高くありません。保有している個別銘柄を上位から10社ピックアップすると上記の一覧になりました。
セクター比率
- 情報技術 48.58%
- 通信サービス 16.01%
- 一般消費財 14.13%
- ヘルスケア 7.12%
- 生活必需品 4.94%
- 公共事業 1.24%
- 金融 0.56%
- エネルギー 0.55%
- 不動産 0.27%
*インデックスの性質上、ハイテク企業以外もウエイトは大きくありませんが入ってます。
TECLの構成銘柄とセクター比率
Direxion Daily Technology Bull 3X Shares (TECL)
(Daily Technology TECL目論見書) 2023年11月15日現在
構成銘柄はアップルとマイクロソフトの2社で構成比46.11%と偏っていて、セクターは情報技術100%です。ナスダック100はインデックスの性質上、情報技術セクター以外も含まれますが、TECLはS&Pのハイテクセクター(情報技術)100%で構成されています。
構成銘柄 上位10社
- アップル 23.25%
- マイクロソフト 22.86%
- エヌビディア 4.52%
- ブロードコム 4.30%
- アドビ 2.98%
- シスコ 2.75%
- セールスフォース 2.48%
- アクセンチュア 2.43%
- オラクル 2.09%
- AMD 2.08%
*アップルとマイクロソフトで構成比46.11%の2社に偏った構成銘柄になってます。
セクター比率
- ソフトウエア 38.97%
- 半導体、半導体装置 24.46%
- テクノロジー ハードウェア、ストレージ、周辺機器 24.36%
- ITサービス 5.48%
- 通信機器 4.13%
- 電子機器、計測器および部品 2.61%
*上の6つの項目は一般的に情報技術セクターにすべて含まれるので、セクターは情報技術100%になります。
TQQQとTECLのパフォーマンスの違い
赤色がTQQQで黒色がTECLです。現在は2023年の11月16日ですが、今年の年初来のパフォーマンスを比較してみます。TECLがプラス164.85%でTQQQがプラス153.28%です。TECLはTQQQよりも11.57%高パフォーマンスの結果です。
更に深く調べてみます。これは2022年1月1日から2022年12月31日迄のパフォーマンスの比較になります。2022年は夏頃に一時期反転しましたが1年を通して下落した年でした。TECLもTQQQもブル3倍のレバレッジETFなので最終的にマイナスになりますが、TECLの方がマイナスが低い結果になりました。TECLがマイナス65.57%でTQQQがマイナス72.53%です。TECLの方がTQQQよりも6.96%分下落が少なかった結果です。
さらに下落期間だけピックアップしてみます。2023年の7月17日から10月26日の期間はいったん持ち直す期間も少しありましたが約3か月間の下落が続きました。この下落期間もTECLの方がマイナスが低い結果になりました。TECLがマイナス30.8%でTQQQがマイナス31.6%です。これは僅差ですがTECLの方がTQQQよりも0.8%分下落が少なかった結果です。
TQQQとTECLを調べてみての感想
チャートは期間によって出る結果も違いますし、また本格的に検証するならもっとたくさんのデータを取る必要があると思いますが、ざっと調べるとこのような結果になったので決めつける分けでは無く、あくまでここまで見ての個人の感想を述べます。
アップルとマイクロソフトの2社だけで構成比46.11%のTECLは強いと思います。ただETFとしては分散されていないのでどうなのよ?という気持ちもあります。TQQQはハイテクセクター100%のTECLと違い、情報技術48.58%、通信サービス16.01%で合計64.59%がハイテクセクターです。残りは一般消費財やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄が35.41%になります。これはセクターETFのTECLと違いTQQQはインデックスなので色々なセクターの銘柄が混じってるのです。
当初私はディフェシブ銘柄の多いTQQQの方が暴落に強くて長期投資ではTQQQが有利と考えていましたが、アップルとマイクロソフトはハイテク銘柄でありディフェシブ銘柄でもある事が分かり、その結果TECLの方が検証で良いパフォーマンスが出ました。
であれば、アップルとマイクロソフトで50%、残りはエヌビディアやテスラなどのパフォーマンス重視の銘柄とPFを組むともっと良いパフォーマンスを叩き出すのではないかと胸が熱くなります。多分、今の相場は個別でこのようなポートフォリオを組む人が良い結果を出しそうです。更にレバレッジも加えて最強PFが組めそうです。
レバナスとは?
確か2021年の秋から年末に掛けてだと思いますが、急にレバナス、レバナスの連呼がネットで巻き起こりました。当時はまだ、TQQQなどのProSharesのレバレッジETFは日本の証券会社で購入できなかったのでナスダック100にレバレッジを掛けたETFは有りませんでした。(私は海外の証券会社で買ってました) 何だろうと調べて見ると楽天で販売されている投資信託の「楽天レバレッジNASDAQ-100」の愛称が「レバナス」と言う事でした。当時、私もレバナス持ってるよとTQQQの話をすると、それはレバナスでは無いと初心者らしき人に言われました。笑 定義からするとレバレッジが掛かってるナスダック100のETFや投資信託を短く言ってレバナスと言うと思うのですが、楽天から売られてる以外はレバナスと認めない感じでした。
調べるとレバレッジ掛けたナスダック100の投資信託(ファンド)は複数販売されています。
どれも2倍のレバレッジ商品です。
- iFreeレバレッジ NASDAQ100
- 楽天レバレッジNASDAQ-100 (愛称:レバナス)
- auAMレバレッジ NASDAQ100
- NZAM・レバレッジ米国株式2倍ブル(NASDAQ100)
ツミレバという積み立てに対応した商品もあるので、余り株に興味ないけどナスダックに投資してみたい人には証券口座作らなくても購入できるのでいいかも知れません。
ナスダック100連動ETFの種類
- レバレッジ無し
Invesco QQQ Trust (QQQ)
QQQと言うレバレッジ無しのナスダック100に連動したETFもInvescoから出ています。レバレッジ無しを希望の場合はこちらのETFがお勧めです。 - レバレッジ2倍
ProShares Ultra QQQ (QLD)
TQQQと同じProSharesのETFで2倍のレバレッジです。3倍は変動(ボラティリテ)が大きすぎると考える人にお勧めです。 - レバレッジ3倍
ProShares UltraPro QQQ (TQQQ)
上昇相場や暴落後の戻り相場に強い3倍レバレッジです。使い方次第では大きな武器になります。下落時の取り扱いは注意が必要です。 - Direxion Daily Technology Bull 3X Shares (TECL)
これは上でも説明しましたがナスダック連動のETFではありませんが参考として載せておきます。