魅惑のレバレッジETF(米国株)

レバレッジETFについて(ここ数年の傾向)

レバレッジETFの登場で気軽にレバレッジを掛けて個別株と同じような感覚で市場で取引できるようになりました。信用取引の口座を開いたりしなくても2-3倍の倍率で取引できます。但し、株取引の書籍や株の解説をしている人達は口を揃えてレバレッジETFは危険だから買わない方がいいと言います。

私が本格的に米国株を始めた2019年の1月頃でもレバレッジETFの話をしてる人は、ほんの数えるほどで日本語の情報は余りありませんでした。当時、日本人の米国株の主流派はS&P500のレバ無しETFであるVOOを毎月積み立てて行くという手法でした。VOOを信仰するVOOおじさん達が居てS&P500のレバ3倍のSPXLの話をするとVOO警察のおじさん達に逮捕され論破されました。

時は過ぎ、レバレッジETFが脚光を浴びたのは2020年のコロナショック後の戻り相場の時です。大暴落後に底を付けた各指数は反転して急回復したのですが、そこで皆、戻りの速いレバレッジETFを買い始めました。S&PのSPXLやナスダックに近い動きをするTECLやコロナ過と言う事でバイオテックのLABU、更にゴールドも上がったので金鉱株のNUGTも物色されました。

それ以降今日まで普通にレバレッジ銘柄の話題が出て皆普通に購入しているようです。更にTQQQなどのレバレッジETFを毎月積み立てするという強者も登場しています。2022年の下げ相場ではベアETFのSOXSやTECSで半導体やハイテク銘柄をショート(売り)する人たちも増えて、レバレッジETFを使って上手くロング(買い)とショート(売り)を使い分ける達人達も出てきました。

代表的な人気のレバレッジETF

ここに載せるレバレッジETFは出来高も多く人気があるETFばかりです。これらのETFは一般的に上昇時に買うブルETFと呼ばれる物です。それと反対の動きをするベアETFと言う下落時に主に使われるETFもあります。もちろん使い方は自由で長期で保有するのも有りだと思います。(一般的にはレバETFは長期は不利と言われていますが・・・)

Direxion Daily S&P500 Bull 3X Shares (SPXL)

米国を代表する500社による指数S&P500のレバレッジ3倍のETFです。ナスダックとダウの銘柄が組み込まれているので攻守ともにバランスの取れたETFで今も昔も人気のレバレッジETFです。レバレッジETF初心者でレバレッジが怖いけど買ってみたい人におすすめのETFです。

ProShares UltraPro QQQ (TQQQ)

ハイテク銘柄が集まるナスダック総合約3000社の中から上位100社のインデックスであるナスダック100のレバレッジ3倍のETFです。米国株と言えばナスダックという人も居るでしょう、みんなが知ってるグーグルもアマゾンもマイクロソフトもナスダック銘柄です。世界をけん引するハイテク企業に投資したい人向けのETFです。

Direxion Daily Technology Bull 3X Shares (TECL)

S&P500のハイテクセクターの3倍の動きをするレバレッジETFです。ハイテク企業に投資する際にTQQQよりパフォーマンスが良いと言う事で人気があります。ただしセクターETFはセクターに特化してパフォーマンスが良い分、相場が反転すると下落もきつくETFが統合や償還されてしまうリスクもあります。インデックスのレバレッジETFよりも遊びが少ない分、危険とも言えます。

Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares (SOXL)

ナスダックの半導体セクターのETFであるSOXのレバレッジ3倍のETFです。非常に株価の変動(ボラ)が激しく、乱高下する事も多いですが、そこが魅力でレバレッジジャンキーたちの愛用ETFになってます。半導体は産業の米と言われるように産業の中心であり、ネット系の企業と共にAI化を促進するために半導体は必要不可欠な存在になっています。ボラが激しすぎると思う方は元の指数のSOXに連動したSOXXがお勧めです。

レバ無し
iShares Semiconductor ETF (SOXX)

SOXX

SOXに連動したノーマルなETFです。

Direxion Daily 20+ Year Treasury Bull 3X Shares (TMF)

米国債の20年30年物の組み込まれたETFです。利下げで金利が下がる局面で威力を発揮します。逆に利上げで金利が上がる時はベアETFのTMVが威力を発揮します。本来動きの少ない超長期の債権を3倍にしてボラを持たせたETFで夢が広がります。価格変動(ボラ)が激しいので初心者が債券は安全と思って飛びつくと痛い目にあいます。うまく乗りこなせると最高の武器になります。

レバレッジナスダックを買う方法、TQQQとTECLと投資信託の違いの記事はこちら

マニアックなレバレッジETF

面白いレバレッジETFはたくさんあるのですが以下の問題があります。

  • 出来高が少ない
  • 日本の証券会社で取り扱っていないETFが多い

良いなと思うETFを見つけても、出来高が少なく流動性が怖くて入れない、または証券会社で取り扱いが無いので買えないといった問題が出てきます。購入できるかできないかは別としてマニアックなレバレッジETFを載せて行きます。

Direxion Daily S&P Biotech Bull 3X Shares (LABU)

S&P500のバイオセクターの3倍レバレッジのセクターETFです。レバ無しETFのXBIの3倍の動きと考えていいでしょう。因みにナスダックのバイオセクターに連動するETFも発売されていますがレバレッジ物は発売されていません。コロナ過で大暴騰したので驚愕の富を得た人も居ると思います。2021年の上半期以降はずっと下落傾向が続いてます。意外ですがレバレッジETFの中では一番出来高が大きいと思われます。

Direxion Daily Financial Bull 3X Shares (FAS)

主に銀行を中心とした金融株に投資するレバレッジ3倍ETFです。コロナショック以降2022年の上半期まで上昇し続けたETFですが、それ以降は下落傾向です。金融危機が起きると注目されるレバレッジETFです。

Direxion Daily Real Estate Bull 3X Shares (DRN)

米国の不動産株に投資するレバレッジ3倍ETFです。S&P500の不動産セクターのReal Estate Select Sector指数の3倍で連動します。レバ無しだとIXREがあります。

Direxion Daily Small Cap Bull 3X Shares (TNA)

TNA

小型株が中心の指数であるラッセル2000の3倍のレバレッジETFです。米国株はビックテックなどの大型株に資金が集中してるので、今の所は中々使う機会がないです。

ProShares UltraPro Dow30 (UDOW)

UDOW

ダウの3倍レバレッジETFです。ディフェシブ銘柄中心のダウは下落相場に強いので、SPXL買うならTQQQとUDOW買って自分で好きなように比率変えてオリジナルS&Pレバ作った方がいいと思ってます。

Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares (NUGT)

NUGT

NYSE Arca金鉱株指数に連動した2倍のレバレッジETFです。元々はレバ3倍のETFだったのですが暴落時にETFを維持できずに3倍から2倍に倍率変更されたETFです。3倍の時に買った人は戻りは2倍なので2度と買値には戻らないと思われます。レバレッジETFの恐ろしい一面です。金鉱株とは金が取れる鉱山から金を採掘する会社の事でゴールドが高騰する時に一緒に金鉱株も上がります。何度か買った事がありますが、ボラは非常に高いです。 

米国以外に投資するレバレッジETF

インドや中国にドル建てで投資するレバレッジETFがあります。その中でも中国のハイテク株に投資するETFや香港の指数に連動するETFが人気です。

Direxion Daily CSI China Internet Bull 2X Shares (CWEB)

CWEB

CSI China Internet ETF (KWEB)の3倍の動きに連動したレバレッジETFです。中国のインターネット関連のハイテク企業を集めたETFです。アリババやテンセント、百度と言った中国を代表する大手のネット企業が組み入れられています。

Direxion Daily FTSE China Bull 3X Shares (YINN)

YINN

香港上場のFTSE A50 Chinaの3倍のレバレッジETFです。上海証券取引所と深圳証券取引所に上場している中国企業のA株の50銘柄からなる指数です。

Direxion Daily MSCI India Bull 2X Shares (INDL)

INDL

MSCIインド指数の3倍のレバレッジETFです。中国の次はインドと言われている成長が見込まれている大国インドのETFです。難点は取引高が小さく流動性があまり無い事です。

ドル建て中国株ETFの世界をレバレッジETFまで徹底解説の記事はこちら

レバレッジETFを購入する時の注意点

流動性が低いレバレッジETFがあるので暴落時に逃げる事が出来なくなる可能性があります。また、暴落が続くとETFを維持できなくなり、倍率(3倍→2倍)の変更や他のレバレッジETFとの統合、あるいは最悪な場合はETF自体が償還(終了)されてしまう恐れがあります。ナスダックやS&Pなどの大きなインデックスに連動しているレバレッジETFは比較的安全ですが、特定のセクターを狙い撃ちしたセクターETFは注意が必要です。

元のインデックスの価格と比べるとレバレッジETFの価格が減価している場合があります。(例えば3倍のはずなのに2.7倍など・・・) これは上にも下にも毎日3倍で動くために株価がヨコヨコで細かく株価が上下すると価格のずれが出て来てだんだん大きくなります。それを減価すると言います。(レバレッジETFの減価の詳細については詳しいサイトがいくつかあるのでグーグルで検索してご確認ください)

レバレッジETFは上手く使えば最高の武器になり、使い方を間違えると資産が急激に減り退場に追い込まれる事もあります。相場の流れで使い分ける事が出来れば大きな資産形成が出来るかもしれません。

円安でも安心! 賢いドル建てヘッジ有り日本株ETF投資法の記事はこちら
ウィブル証券マネックス証券_米国株訴求
moomoo証券松井証券の米国株
米国株取引に強い証券会社4つ